やってみなくちゃ、わからない。
最近、麻のことに興味を持ってくださる方が増えているように感じます。
お問い合わせをいただいたり、初めてワークショップに来てくださったり。
何度も足を運んでくださる方もいて、本当に嬉しく思っています。
そんな中で、改めて考えていました。
私は、どうしてワークショップをしているんだろう。

麻のことを知っていただけたら嬉しいな。
もちろん、それもあります。
実はそれだけではない、
むしろ、手を動かす楽しさを共有できたらという思いの方が強いです。
今は、知りたいと思えば、たくさんの情報に触れることができます。
正しい、正しくない。
良い、悪い。
昔はこうだった。今はこう考えられている。
知識を得ることは大切です。
でも、
言葉だけを追っていると、
ときどき「結局、何が正しいんだろう」と、
誰かの答えを探し続けてしまうことがあります。

そんなとき、私は、
「じゃあ、自分で感じてみよう。」
と思います。
精麻を手に取る。
撚ってみる。
結んでみる。
すると、
「気持ちいい。」
「懐かしい感じがする。」
「思った通りにできないな!」
「楽しい。」
「もう一回やったら、もっと上手にできそう。」
いろいろな感覚が出てきます。
同じ精麻に触れていても、感じることは一人ひとり違います。
だからこそ、
「私は、こう感じた。」
ということは、誰かと比べなくていい。
「きれいだな」
「なんだか好き」
「気持ちいい」
「指先がジンジンしてきた」
「もっとやってみたい」
五感を通して自分の中から出てきたものは、その人だけの感覚です。
私は、それをとても大切にしたいと思っています。

私のワークショップは、きれいな作品を完成させることだけが目的ではありません。
もちろん「できた!」と喜んでもらえるのは嬉しい。
でも途中で、
「難しい〜!」
となるのも、味わってほしい。
私も最初からできたわけではありません。
今でもまだまだできません。
何度も触れて、失敗して、やり直して、
「あ、こうすると扱いやすいんだ。」
と、手が覚えてくれました。
写真で見るのと、実際にやるのは違う。
文字で知るのと、実際に感じる全然違う。
精麻一本一本の違いも、
力加減も、手の動かし方も、やってみて初めてわかることがあります。
これは、麻だけの話ではないのかもしれません。
私たちは、
この身体で、見ることも、触れることも、匂いを感じることも、手を動かすこともできます。
やってみて、
「好きだった。」
と知ることもできるし、
「思っていたのと違った。」
と知ることもできる。
それって、とても豊かなことだと思うんです^^
自分でやって、自分で感じて、自分で知る。
だから私は、ワークショップが好きなのだと思います。
麻について詳しくなくても、手仕事が得意でなくても大丈夫。
上手な作品を作るためだけではなく、
まずは麻に触れて、
「私は、どう感じるんだろう。」
を味わいに来てもらえたら嬉しいです。
やってみて、
「麻って面白いね。」
「こんなものだったんだ。」
と、麻を知っていただく小さなきっかけになったなら、私はもう大満足です^^
知ることも大切。
でも、ときには、
自分の中に答えを見つけに行く時間。
そんな時間を、これからも皆さんと一緒につくっていきたいと思います。
三河麻工房
加藤晶絵

