自然の色を、これからの暮らしへ。|新万葉染めを選んだ理由

京都で出会った、新万葉染め。

染めることが楽しかったのはもちろんですが、

私がもう一つ心を動かされたのは、この染色方法を生み出した方々の考え方でした。

自然の色を届けたい。でも、長く着られる衣にしたい。

私は以前から、自然の色をまとえる衣をつくりたいと思っていました。

自然の中で暮らしていなくても、毎日着る衣から、植物や季節を感じられたら。

そんな思いがあります。

ただ、草木染めには色落ちや堅牢度の課題もあります。

自分で楽しむものなら、それも面白い。

けれど、お客様に販売する衣となると、

長く着ていただくために、もう少し考えたいことがありました。

そんな中で出会ったのが、川端商店さんの新万葉染めです。

植物を煮出さない、新しい染め方

私がこれまでしてきた草木染めは、植物を煮出して色を取り出す方法が中心でした。

新万葉染めでは、植物を非常に細かく粉砕した染料を用います。

高温で煮出す従来の方法とは違う技術に、最初はとても驚きました。

鮮やかな色が生まれること。

植物の香りを感じられること。

そして、少ない資源やエネルギーで染める方法を探求していること。

実際に体験すると、技術の説明を聞くだけではわからなかった面白さがありました。

染めることと、環境のこと

川端商店さんでは、染色と環境の関係についても、さまざまなお話を伺いました。

衣服をつくる過程では、水やエネルギー、染色排水など、環境への負荷が生じることがあります。

だからこそ、染め方そのものを見直したい。

そんな問題意識が、新万葉染めの研究や開発につながっていると感じました。

染め場では、エビを飼育している様子も見せていただきました。

染色液を薄めて加える試みについてのお話も印象に残っています。

こうした取り組みを見ながら、

色をつくることだけではなく、その先の水や環境まで考えているのだと知りました。

もちろん、一つの染色方法だけですべての環境問題が解決するわけではありません。

それでも、より良い方法を探し続ける姿勢に、私はとても共感しました。

色をつくる人の、探求心

新しい技術を知ることは、とても面白いです。

でも、私が惹かれるのは、技術の向こう側にいる人の想いなのだと思いました。

なぜ、この方法を考えたのか。

なぜ、そこまで研究を続けているのか。

そんなお話を聞くほどに、私もこの染め方で衣をつくってみたいと思いました。

そして、実際に自分の手で染めてみて、その気持ちはさらに大きくなりました。

日本の職人の仕事や、自然の豊かさを、これからの暮らしへ。

新万葉染めとの出会いは、三河麻工房にとって、新しい風が吹きました。

次回は、今回染めた「古代紫」と、色を育てながら着る楽しみについてお話しします。

三河麻工房

作業が終わり、

ほっとした気持ち

新しい発見、美しい色、

体を使った後の心地よい倦怠感と共に

京都駅に向かいました。

この記事を書いた人

mikawaasakoubou