茅葺き職人さんに教えていただき、鬼無里ふるさと資料館にも立ち寄りました。

館内には、麻の歴史や世界での麻の呼び方、
日本で親しまれてきた麻の葉模様、そして畳糸をつくる工程まで展示されていました。

栃木県にも麻の資料館がありますが、地域が違うと、
麻のつくり方や呼び方にも違いがあることを知りました。
同じ「麻」でも、その土地の気候や暮らしに合わせて育まれてきた文化がある。
いつもは資料や本で知識として知っているつもりになっていることを
その村で知ることができる、それがとても新鮮でした。
古い茅葺き屋根を修繕していると、屋根の中から、
昔の人が束ねて残していた麻の繊維が、きれいな状態で見つかることがあるそうです。

もしかしたら、いつか町へ出た時に売ろうと思って、大切にしまっておいたものだったのかもしれません。
そう思うと、その束には、その時代を生きた人の暮らしや想いが、そのまま残っているように感じました。
(どんなお話をしながらこの作業をしたのだろうとか。妄想が膨らみます^^)
資料館には、「世界の麻」という展示もありました。
麻は世界最古の衣料の一つといわれ、日本でも古くから衣服や暮らしに使われてきたこと。

そして、麻の葉模様には「子どもが麻のようにまっすぐ健やかに育ちますように」という願いが込められていること。
私たちは、模様として目にすることはあっても、その意味まで知る人はどれぐらいいるのでしょう。
今回の旅を通して改めて思いました。
私はこれまで、精麻を未来へ残したいと思って活動してきました。
でも、本当に残したいのは、精麻だけではありません。

麻殻(オガラ)が屋根を支え、
繊維が縄となり、
糸となり、
畳糸となり、
暮らしのあらゆる場面で役立ってきた、日本人の智慧そのものです。
智慧というと崇高なものに聞こえてしまいますが、
とんちきかせて暮らしを豊かにするというのは
感覚がするぐれていると、次から次へと地球と共に豊かになる方法がピンっと閃くのかもしれません。
そして最後には全ては土へ還り、また命を育てる。

そんな循環の中にある暮らしは、本当に豊かだと思いました。
いつか、日本の各地で、こうした麻の文化がもう一度戻っていったら。
精麻だけではなく、麻の副産物も生かされ、地域の文化とともに受け継がれていったら。
それがきっと、健やかな循環。
今回の旅は、茅葺き屋根を見に行っただけではありませんでした。
「私が未来へつないでいきたいものは何だろう。」
その答えを、少しだけ見つけられた旅でもありました。
鬼無里ふるさと資料館の皆さま、写真掲載を快くご承諾くださり、ありがとうございました。
鬼無里ふるさと資料館の方にお写真撮っていいですか?と聞いたら
撮ったら載せてくださいね!とのことでしたので、
一部、お写真掲載します。
鬼無里は麻の栽培に適していたそうで、16世紀末から生産が始められて良質な繊維が取れました。
長年に渡り地域の経済を支る産業として定着しました。

まずは、麻を育てるためのお道具コーナー



締麻(しめそ)という呼びかたは知っていましたが、この呼び方は初めて知りました。外皮を剥く前の束です。
ネットなどない時代その地域のそれぞれの呼び名を知るのは面白いです。

これは麻を煮るための釜。各家庭が持っているわけではなく、村や部落で1箇所あり、みんなで使ったそうです。
館内から撮ったので反射してます🙏


福島県のからむしの里の苧麻の繊維を取る道具にとても似ていますね。

精麻の幅は細く、一本から一枚とっているのかな?という感じです。畳の紐にするにはこの方が手間が省けそうですね。

精麻にしたあとの掛け方が栃木とは違いますね。繊維が長いように感じます。それにても美しい。
そして何年前の繊維なんでしょう。
ここからは畳糸制作の様子です。家族全員での作業というのがいいですね。(おじいちゃんを撮り忘れました🙏)
現代だと家族全員での作業はほとんどないので、
いいなと思いますが
当時は家族総出でやらないとなほど手間のかかることで
お金にするのは大変だったのかもしれません。


「テガラ」 伊那でいただいた繊維は手柄の状態だったかもしれません。畳糸にする予定だったのでしょうか🧐




畳糸完成です!綺麗ですね〜!

ネットには載らないけど、地元にこんな麻の資料が置いてあるところがありましたら
ぜひご一報ください^^
