第3話|藍は、思い通りにならない。

豊田市は、市の約7割を森林が占めています。

街のすぐそばに、山や森のある場所です。

それでも夏はとても暑く、

外へ出るたびに、

思わず「おおぉ、暑い……」と声が出ます。

そんな暑さの中でも、

いいえ、そんな暑さだからこそ、

藍は今日も元気です。

毎朝、様子を見るたびに、

「今日も元気だね^^」

と、つい声をかけたくなります。

私にとって藍は、

染料をつくるためのものというより、

一緒に季節を過ごす存在なのかもしれません。

藍の華

※藍の華 接写

「藍染めを教えてほしい。」

そんな嬉しい声をいただくこともあります。

けれど私は、藍染めのワークショップをしていません。

藍は、その日の気温や湿度、

発酵の具合によって、毎日表情を変えます。

昨日と同じように手をかけても、

昨日と同じ色が出るとは限りません。

思い通りにならないことばかりです。

でも私は、

その思い通りにならなさが好きなのです。

便利になり、

思ったことが、すぐにできる時代。

ボタン一つで、

さまざまなものが手に入る時代。

そんな毎日の中でも、

自然は、私たちの都合どおりには動いてくれません。

暑ければ、暑いなりに生きる。

雨が降れば、雨に濡れる。

その日、そのときの環境の中で、

精いっぱい命をつないでいます。

藍を見ていると、

「今日はどうかな。」

「今日は元気かな。」

そんなふうに、

自然に寄り添う時間が生まれます。

自分の都合ではなく、

目の前にあるものを、よく見る。

手をかける。

少し待つ。

そして、変化を受け入れる。

その時間が、

私の心を整えてくれています。

だから私は、

毎年、藍を建てています。

思い通りにならない可愛いこのこと、

今年も一緒に夏を過ごしています。

藍染

つづく。(3/5)

この記事を書いた人

mikawaasakoubou