第1話|私が藍を好きになった理由。

春になると灰汁をつくり、藍を建てます。

藍の様子を見ながら、

「今年も、この季節が始まる。」

と、ワクワクします。

今では、藍と過ごす時間は、私の暮らしの一部になりました。

けれど、最初から日本の伝統工芸に詳しかったわけでも、

藍染めを仕事にしたいと思っていたわけでもありません。

はじめは、ただ藍の色が好きなのだと思っていました。

藍の華

深く、静かで、

光の届かない深海のような色。

何もかもを包み込む、宇宙のような色。

眺めていると、なぜか心が落ち着きます。

けれど今振り返ると、

私が本当に惹かれていたのは、藍色そのものではなかったのかもしれません。

自然から生まれたものを身にまとい、

大地と離れずに生きること。

余分なものを持たず、

自分の道を、まっすぐに見つめること。

私は藍の向こうに、

自分が焦がれていた「生き方」を見ていたのだと思います。

なぜ私は、

そんな生き方に強く惹かれるようになったのでしょう。

その答えは、ある冬の朝にありました。

次回へつづく。 (1/5)

朝の田んぼ

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mikawaasakoubou