麻を使う暮らし

茅葺き屋根、菌と共に暮らす

先日、長野県へ茅葺き屋根の見学に行ってきました。

きっかけは、今年2月に麻農家さんの豊川でのお話会へ来てくださった方とのご縁でした。

その方が株式会社小谷屋根にお勤めで、

お話を聞いたことをきっかけにInstagramをフォローするようになりました。

資料では、「昔は麻が茅葺き屋根にも使われていた」と知っていましたが、

実際に見たことはありませんでした。

そんな中、

小谷屋根さんのInstagramで完成した茅葺き屋根の風景を見て、

「この景色を自分の目で見てみたい」と思い、ご連絡したところ、

快く見学を受け入れてくださいました。

小谷屋根
茅葺き屋根

実際に現地で見た屋根の美ししさは、

とても言葉ではいい表せないほどのものでした。

感嘆、圧巻、「美しい…」の連続でした。

小谷屋根
茅葺き屋根

そしてご丁寧に屋根のこと、屋根と麻のことを教えていただきました。

屋根材になる植物は、まとめて「茅(かや)」と呼ばれること。

茅葺き屋根と藁葺き屋根は、使われる植物が違うこと。

地域によってススキやヨシ、カリヤス、麻など、

その土地で採れる植物を使い分けていること。

麻を使う場合は、麻殻(オガラ)が屋根材となり、

皮を剥いたものは屋根の内部へ、皮付きのものは外側へ使われること。

まだ使えるものはあんことしてもう一度葺き替えに利用すること。

※一番内側、写真の下側が麻殻(おがら)です。

さらに、小谷屋根さんでは、

親方のお宅から昔の方が残していた麻の繊維まで見せていただき、

少し分けていただきました。

栃木で見てきた精麻とはまた違うつくり方で、

とても興味深く、これから何かに生かしていけたらと思っています。

また、小谷村には麻をよく知る方々が今も暮らしているそうで、

その文化や記憶を受け継いでいることにも心を動かされました。

今回もう一つ感動したのは、茅葺き屋根は「自然の循環」そのものだということです。

何年も経つと屋根の上には苔が生え、

土ができ、植物の種が落ち、芽吹き、小さな森のようになります。

屋根にも菌が住み、古くなった茅は畑へ還り、また豊かな実りを育てる。

※苔は食べられるそうです。(生食はだめですよ。)

見学中には雷も鳴っていましたが、親方が子どもたちに

「雷が鳴ると窒素が降りてきて、植物が元気に育つんだよ。」

と話してくれたと、帰りの車で聞きまいた。

※雨が止んだら作業する親方の後ろ姿です。

 ヘルメットをかぶって近くで見させていただきました。

自然はすべてつながっている。

昔の暮らしは、その循環の中で成り立っていたことを改めて感じました。

一方で、茅葺き屋根を守るためには、多くの茅が必要です。

来年は修繕する屋根が多く、秋に茅を刈らなくてはいけませんが、人手も足りないそうです。

私も機会があれば、茅刈りに参加してみたいと思っています。

今回見学させていただき、

茅葺き屋根は単なる建物ではなく、

自然とともに暮らす智慧いそのものだと感じました。

土地で育った植物を使い、

自然の循環の中で手入れをし、次の世代へ受け継いでいく。

その営みの美しさに、心から感動しました。

最後に

今回見学させていただいて、一番心に残ったのは、

日本人が自然とともに暮らしてきた智慧です。

麻は、精麻だけではありません。

繊維は神事や暮らしに使われ、麻殻(オガラ)は茅葺き屋根に使われ、

植物は最後には土へ還り、また次の命を育てます。

屋根にも菌が住み、苔が生え、やがて土となり、その土は畑を豊かにする。

雷が鳴れば窒素が降り、植物が育つ。

自然はすべてつながり、循環していました。

今まで私は、自分の目を通してお伝えできることはしていきたいと思いました。

でも今回の見学で気づいたのは、

本やネット上だけではなく、人の中に

まだまだ麻を生かした文化がたくさん残っているということです。

精麻だけではなく、麻の副産物まで無駄なく生かし、自然とともに暮らしてきた日本人の智慧。

その文化を知り、学び、未来へ残していきたい。

そんな想いが、以前よりもっと強くなりました。

今回、このような貴重な機会をくださり、

惜しみなく知識を分けてくださった株式会社小谷屋根の皆さま、

そして伊那で茅葺き屋根を守り暮らしていらっしゃるオーナー様に、

心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

もし茅葺き屋根や、日

本の自然とともにある暮らしに興味がある方は、

ぜひ株式会社小谷屋根さんの活動をご覧ください。https://www.instagram.com/otariyane.kayabuki/

屋根を葺く技術だけではなく、日本の美しい風景や文化を未来へつないでいる方々です。

私もこれから、自分にできる形で、

麻を生かした日本文化を学び、伝え、未来へつないでいきたいと思います。

なんと美しい国に生まれたのでしょう。

幸せですね。

たくさん写真をとらせていただきました。

一部、ご紹介します。

※長野市のお宅。

 地域によって屋根の角度が変わります。どうやって揃えてるのでしょうね。

 曲線が美しかったです。

※茅葺職人さんは内側を見れば、良し悪しがわかるそうです。

 99歳の茅葺き職人さんは内側をチェックしに行っていました。

 現役を引退されてもお仕事が好きなんですね。わたしもそんな歳の重ね方をしたい。

※かっこいいです!

 99歳で生きてるのがやっとだ。と言いながらスタスタと中へ入っていました。

 ちなみに3年前まで屋根に登っていたそうです!尊敬です!

※レジェンドの茅葺職人さん、現役茅葺職人さん、小学生、妹、盛り上がっています。

 (素敵な光景、こんな。。。おうちが欲しい!)

※風破板 屋根の上部に取り付けます。これは今回の修繕でおろしたものです。

※ヨシ 茅葺の角にはヨシを使います。

 ここの角です!ヨシを使います。

※茅が落ちてるところも愛おしく見えてきちゃいます。

ピントがズレてるけど、上の部分はカリヤスという植物だけです。

小谷村ではカリヤスの方が手に入りやすいそうです。

今年の秋に刈り取り作業する人、大募集です!

※雨が降ったり止んだり

 濡れた茅葺き屋根と雨にぬれ元気なひまわり。(かっこいい!!味わい深い!!語彙力がない🙏)

 茅葺屋根を次世代に残したいと京都から移住された女性のお宅です。

 今はまだ、修繕途中。完成したら、民泊やワークショップをするそうです。

 完成が楽しみです、ぜひチェックしてみてください。https://www.instagram.com/yumihideo/

※茅に使ったススキの穂先は箒になっていました。

※蔵にあった麻をいただきました。30年以上前のものだそうです。

 翌日、干そうと思って解いたら、結び方の決まりがあるようで

 丁寧な仕事に、昔の人が麻を大切にしていたことを感じました。

 民宿のお守りになるような、何かを作ろうと思います。ワクワク^^

※こんなまとめ方をしているのは初めて見ました。何にするはずだったのでしょう?

最後まで見てくださりありがとうございました。

まだまだ美しい景色ありますが、この辺で。

次回は、鬼無里ふるさと資料館をご紹介します。

鬼無里ふるさと資料館

この記事を書いた人

mikawaasakoubou