愛知は台風が近づいています。
明け方からしとしとと雨が降り続いています。
空が明るくなるのもいつもより少し遅く、
今日はゆっくりと1日が始まりました。
こんな日は、心も身体も落ち着いて、
今までのことや、
これからのことを考えています。
今日は、
私が人前に立つようになったことを思い出しています。
実は私は、もともと目立ちたいタイプではありません。
できることなら、
好きなものを作って、
好きな人と話して、
静かに暮らしていたかった。
だから今こうしてワークショップを開いたり、
発信をしたりしていることに、
自分でも少し不思議な気持ちになることがあります。
昔の私が見たら、
きっと驚くと思います。
なぜそんな私が今、
こうして人前に立っているのでしょうか。
そのきっかけは、
麻農家さんとの出会いでした。
お話を聞く中で、
日本人が昔から麻と共に暮らしてきたこと。
神事や衣服、暮らしの中に、
麻が当たり前にあったこと。
そして今、
その文化に触れる機会が少なくなっていることを知りました。
私はそれまで、
麻が好きではありましたが、
「みんなで知れたらいいな」
ということを真剣に考えたことはありませんでした。
でもその話を聞いた時、
「もしこの文化がなくなってしまったら、
子や孫はそれを知らないまま生きていくことになるんだな」
と思ったのです。
そして、
「未来に残すために、
私にできることは何だろう」
と考えるようになりました。
私は今でも、
目立ちたいわけではありません。
有名になりたいわけでもありません。
ただ、
精麻に触れた時の、
あの静かな感覚。
頭の中のざわざわが落ち着いて、
呼吸が少し深くなる感覚。
麻を纏った時の、
肩の力が抜けるような心地よさ。
昔から続いてきた日本人の営みの中にある、
自然と共に暮らす智慧。
私はその智慧を、
先人たちから受け取った贈り物のように感じています。
だから嬉しくなるのかもしれません。
そういうものを、
知るきっかけになれたらと思っています。
だからワークショップをしています。
だから作務衣を作っています。
だからこうして、
言葉にすることにしました。
未来の人にも知ってほしい智慧に、
出会ってしまったから。

