第4話|朝6時、会いにいきます。

朝6時。

夏の陽射しが強くなる前に、

会いに行きたい子がいます。

畑で育てている野菜と、

静かに息をしている藍甕です。

畑に水をやり、

まだ涼しい時間に藍染めをします。

藍甕の蓋を開け、

今日の色や香り、表面の様子を見ます。

「今日は元気かな。」

毎日見ているのに、

一日として同じ日はありません。

驚くほど美しく染まる日もあれば、

なかなか色が入らない日もあります。

そんな日は、

何が足りないのだろう。

暑すぎたのだろうか。

今は手を加えずに、

少し待った方がいいのだろうか。

そんなことを考えます。

藍染

藍が元気な日は、

私まで嬉しくなります。

染まりの悪い日は、

私まで少し元気がなくなります。

おかしなことに

目に見えない微生物と藍に感情を揺らされながら、

今年も一緒に夏を過ごしています^^

思い通りにならないから、

よく見るようになる。

言葉を話さないから、

小さな変化を感じようとする。

すぐに答えが出ないから、

待つことを覚える。

私が藍をお世話をしているつもりで、

本当は、私の方が育ててもらっているのかもしれません。

人も、仕事も、自然も、

自分の思いどおりにしようとすると苦しくなります。

けれど、

思いどおりにならないものと過ごしていると、

世界には、自分よりも大きな流れがあること

「はっ!」と思い出します。

朝6時。

藍に会いに行く時間は、

私が地球の一部であることを思い出す時間です。

藍染

つづく。(4/5)

この記事を書いた人

mikawaasakoubou